この例から判断しても、情報革命が生産性に与える影響を正確に把握することは、伝統的な計量経済学の分析ではたしかに困難である。
先に紹介したJ藤克仁氏の研究は、こういった計量分析の壁に挑戦したものとして評価できる。
してeエコノミーは、加速度的に伸びる。
大雑把にいって、アメリカ経済はいまは図の(A)あたりに位置し、日本経済は(B)あたりにあると見てもよいかもしれない。
もしこのようなイメージが正しいとしたら、eエコノミーは急激な右肩上がりの曲線になり、「収穫爆発の法則」が妥当性をもつことになる。
トラディショナル・エコノミーは今後とも低成長でしか伸びないか、場合によってはマイナス成長になる。
以上のようなマクロの状況を前提とした上で、企業のビジネスモデルがどう変わるのか考えてみたい。
高く、消費者が何を欲しているかを正確に知ることができない。
このため、企業は当たりそうな商品を開発し、流通業者を通じてマーケットに流す。
それをマーケットが高く評価すれば利潤をあげられるが、そうでなければ、その企業は淘汰される。
ここでは、あくまでも企業がイニシアティブをとって商品を開発し、マスの消費者に流す「企業主導型」のビジネスモデルである。
これがトラディショナル・エコノミーにおけるビジネス・パラダイムだった。
ところが、eエコノミーになってくると、今度はインターネットの端末の前に座っている個々の消費者が、自分はどういうものがほしいかを、自分のほうから相手に知らせるようになり、個々の消費者のほうにイニシアティブが移ってくる。
つまり、「顧客主導型」のビジネスモデルに変わってくる。
たとえば、車を買いたいと思う人は、インターネットにアクセスして、こういうモデル、こういう価格帯、こういう用途のものと、パソコンに入力すると、サイトが適当なモデルを探してくれたり、自宅近くのディーラーも紹介してくれる。
そういう取引を継続して行うと、一人ひとりのお客がどんな自動車を買ったか、どう買い替えたかの記録が残る。
しかも、家族構成やその他の属性も合わせて入力されるので、ディーラーは「そろそろ買替えの時期にきたので、アプローチしてみよう」と判断できる。
このような話は、車にかぎったことではなく、あらゆる商品についても共通である。
その結果、情報革命によって個々の消費者のライフスタイルがわかり、それに対応した商品を企業が提供するという「顧客主導のビジネスモデル」が一般的になる。
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